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  • 2017.03.27

間伐材について、多くの日本人が間違えているたったひとつのこと。間伐材=低品質ではありません。


「この商品って西粟倉村の間伐材を使っているんですよね?」


お客さんにこんな質問をいただくことがあります。


この質問の裏には、間伐材を利用することが森林の保全につながることであったり、曲がっていたり節が多かったりと利用価値の小さい、もしくは使われずに捨てられてしまう(と思われがちな)間伐材を有効活用している、といった商品裏にある背景や物語を知りたいという気持ちがあるのだと思います。


ただモノとして良いと感じた商品を購入するのではなくて、その商品がつくられるまでの理念や背景を知り、モノの裏にあるストーリーに共感することによって購買意欲がいっそう高まること。そして、そういった商品を手に取りたいと感じること。本当に素晴らしいことだと思います。


ただ、気がかりなのは「間伐材」という言葉が、取り違えて認識されているのではないかということ。



間伐材=低品質、では決してありません。
間伐材は木材の品質をあらわす言葉ではありません。間伐とは、山全体や樹木の生育を促すことを“目的”とした、木々を間引く伐採方法のひとつでしかありません。山に生えた木を伐る方法の話でしかないのです。


「間伐の定義とは…」なんて大それたことを言える立場ではないし、たいした知識も経験も持っていないけれど、材木屋(の営業マン)として日々働いていると、どうしても間伐材という言葉が、世間から浮足立ったもののように感じてしまいます。



杭にすら加工できないような小径木だって、立派な横架材が挽けるような中目材だって、間伐目的で山から伐り出されたならば、それはまぎれもなく間伐材です。例えば、一定区画内の樹木をすべて伐採するような皆伐がなされた山から出てくる丸太 と見た目も品質もなんら変わりません。


人工林を育てていく過程で、間伐作業は必要です。 間伐の中にも下層間伐、優勢木間伐、列状間伐などさまざまな方法があります。もちろん、山からは品質の悪い木もあれば良い木も出てきます。


間伐材だから品質が悪いとか、間伐材だから小さい・曲がっている・節が多いとか、間伐材だから利用価値がない、というわけではありません。



仕事柄、お客さんに私たちの工場をご案内することが多々あります。 西粟倉の山々や丸太が集められた土場、そして会社の工場と、木が生えているところから木製品になるまでの一連の流れをお客さんに見学していただきます。そして最後に、工場の製造過程で発生した端材をプレゼントすることがあります。「ここにある木材なら好きなもの持って帰ってもらっても大丈夫ですよ」と。


皆さんキラキラと目を輝かせて喜んでくれます。「わぁ、いい香りがする」「これで棚をつくってみます」持って帰れないほどの木材をカバンや車に詰め込む様子を見るのが密かな楽しみです。


不思議なことに、たいていのお客さんは材木屋からすれば「価値の低い」木材を持って帰ることが多くあります。節が極端に大きかったり、変な形の穴が空いていたり、色味が濃かったりするものなどがそう。


「あの木の方が高価ですよ」と伝えてもお客さんは嬉しそうに「こっちの方が木っぽくて可愛いから好きです」と言うのです。でも、これってとても重要な感覚だなぁと思います。


「節がある木は価値が低い」
「色味の悪い木はB品」
こういった価値観はいったい誰が決めたのでしょうか?



「みんなの材木屋」の商品の中には、節のある商品がたくさんあります。 節は枝のあと。枝がない木はないように、節があることは木材にとって当たり前のことなんです。だから、「みんなの材木屋」は「木の当たり前」を、お客さんに当たり前に提案したいと思っています。


その「当たり前」が広まった先には、もっと国産材を使いたいと思う人が増えているし、いま、日本中の森で間伐が進んでいます。日本の森は確実に明るい方へ向かっています。


間伐材の有効活用は“目的”ではなくて、あくまで“手段”の話。 だから「みんなの材木屋」は間伐材をつかった商品なので買ってください、とは言いません。



西粟倉村は2008年に「百年の森林構想」を掲げました。 約50年前、「子や孫のために」と木を植えた先人人々の想いを大切にして、立派な百年の森林に育て上げていくためにあと50年、村ぐるみで挑戦を続けようと決意しました。その理念のもと、村の山では日々、間伐作業が行われています。



雪も溶け、春の訪れを感じる季節になりました。丁寧に間伐された木々のすき間には陽がスッと差し込んでいます。3月下旬は、森の下層にミツマタの花が咲きはじめる頃です。きれいな森林にしか咲かないといわれているミツマタの花が咲き誇る西粟倉村の人工林は、今日もきれいです。


文:ハダッチ


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三重大学を卒業後、国産材専門の木材商社を経て、西粟倉村へ移住。新たな木材流通をつくるためプロユースの営業を担当。山を走り回ったり、狩猟をしたり、DIYに勤しんでいます。
個人ブログも書いてます → http://hadatomohiro.com/