よみもの

  • 2016.05.26

原価ゼロ・規格なし・産地不透明・劣化アリでも価値が付く木材「流木」を拾ってきた

ryuboku 先日、流木を拾いに行ってきたんです。そう、砂浜に流れ着いたアレです。 日曜日の早朝、鳥取市内の賀露港にて。犬と戯れる老夫婦、サーフィンの練習をするニイチャン、ビキニパンツ一枚で日光浴をするイカツいオッチャンらを横目に、日本海を眺める砂浜をウロウロと探しまわっては流木を拾ったのでした。 気づけば1時間近くも没頭し、ちいさな枝、角が取れて丸くなった板材、錆びついた釘が刺さった角材など大量収穫。ぜんぶ無料。タダほど安いモンは無いってウチのオカンも言うてました。   コトの発端は取引先に伺った際に「流木ビジネスって面白いと思うんですよね〜」と盛り上がったことがきっかけでした。「ほうほう、それは非常に興味深いですねェ」と頭の片隅にもなかったアイデアに興味津々の俺、単純。というわけでさっそく日本海へと走ったのでした。 ryuboku 調べてみると、流木の販売業者ってたくさんあるんですよ。そして価格もピンキリ。ひとつ100円の木っ端のような流木もあれば、一本97,000円(!)もする特大変形流木も。 そこには寸法規格もなければ、流木と書いて字のごとく産地が分かるわけもなく、当然のように劣化している。だけど、それがいい。それでいいわけなんですね。 用途としては、アクアリウム(水槽)の中に入れたり、インテリアとしてそのまま飾ったり、DIYの材料として使ったりといろいろ。DIY系キュレーションメディアでもけっこうな数の記事がまとまっていますね。→[ iemo|流木アートの作り方。おしゃれで可愛い活用アイデア作品集つき ] アクアリウムに入れて使う場合は、加熱殺菌だったり、アク抜きだったりが必要になるみたいなんですが、だいたいが水洗いと天日干し程度の処理で販売しているよう。   ふだん材木屋の営業マンとして働いている立場からすると、流木販売って非常に面白い商売だなと。木材の寸法精度や含水率も関係ないし、納品後の反れや割れも気にしない、産地証明も要りません。おまけに立米単価もお高いのです。自然のものだし一点モノだからノークレーム・ノーリターン!原価もゼロ!   いい感じ(なにがいい感じかはまったく分からない)の流木があったら試しにBASEでショップでもつくって流木販売でもしてみるかな〜、と下心丸出し。ウハハ。(儚くも)淡い期待で日本海も輝いて見えます。眩しすぎて明日が見えねえ… ryuboku ……で、その結果がコレでした。どうですか?いくらで買いますか?   砂浜を探してみるも、ネットで高価格がついている「なんかいい感じ」の流木には出会うこともできず(そりゃそうだ)。やっぱりそんな簡単じゃねえわな、と思いながら、とぼとぼと砂浜を後にしたのでした。試しになにか自分で作ってみて気に入れば万々歳だ。   ボロボロのパジェロミニに流木を詰め込んで、美容室に髪を切りに行きました。行きつけの田舎のちいさな個人経営の美容院です。順番を待ちながら隣にいたオバチャンと今日は暑いですねェ、なんて世間話。すると、なんとオバチャンが賀露在住の方だったのでした。 「ぼく、さっきまで賀露港で流木を拾ってたんですよ」 「あら奇遇ねえ、アタシもよく拾いに行くのよ」 どうやらオバチャンは朝の散歩のついでに砂浜に寄っては流木を拾っているとのことでした。   「何かに使うとかじゃないのよ、可愛いものはとにかく持って帰りたくなるの♡」 「朝早くじゃないとダメよ、けっこう拾いに来てる人は多いんだから。あとは、あんまり人が寄らない砂浜がおすすめね」 ナルホド、流木も奥が深い。オバチャンはさらに「台風の翌日なんてほんと最高よ」とニンマリと笑った。   家に持って帰った流木を水で洗っては砂を落とし、乾かしてはじーーーっと観察。並べてみたり、重ねてみたり、見る角度を変えてみたり… でも、いくら考えてもコレだ!という使い道は思いつかず(ビビッとインスピレーションが下りてくることは勿論なく)、流木クンたちはいったん我が家の倉庫の片隅で眠ること。南無。   けれど、流木拾いはなかなかに楽しくてクセになりそうで。「お、コレはいい感じかも!」「いや、ダメだわ。じゃ、コッチは…」なんて、じんわりと熱くなった砂浜を裸足で歩き回るのもたまには良いもんだなと思ったのでした。まだ見ぬ「なんかいい感じ」の流木を見つけられる日は近そうにないけれど。 karo1

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三重大学を卒業後、国産材専門の木材商社を経て、西粟倉村へ移住。新たな木材流通をつくるためプロユースの営業を担当。山を走り回ったり、狩猟をしたり、DIYに勤しんでいます。

個人ブログも書いてます → http://hadatomohiro.com/