【DIY】六畳間・和室の畳を剥がして6時間でフローリングに張り替えてみた
よみもの
アルフォート1箱のキャンバスで何を伝えるか?材木屋の永遠の課題、サンプル問題
ユカハリ・フローリングのサンプル(スギ・節あり・1.5cm厚)
例えば、杉の1.5cm厚のフローリングサンプルの場合、縦横12cm×20cmのサイズにカットしたサンプルをお送りしています。 これは、みんな大好きブルボンのアルフォートの一回り程度大きなサイズ。このアルフォート1箱サイズに「無垢」を伝えることが非常に難しいんです。 そのサンプル一枚一枚に「無垢」をお客さんにしっかりと伝えられているのか?と問われれば、胸を張って首を縦に振ることができないのが正直な気持ち。 だからこそ、もっともっと木の風合いや魅力を伝えられるような「みんなの材木屋」でありたい、と強く思っています。スギ 左:白身、右:赤身
スギ 左:白身、右:赤身
例えば、上の2枚の写真は、どちらも同じサイズのスギのサンプルです。白身と赤身ではこんなにも色が違います。 スギの場合、皮に近い辺材は白身がち、芯に近い芯材は赤身がちになります。ヒノキ 左:埋め木処理、右:小さな節穴
節の違いについてもそう。こちらはヒノキの写真。 左は埋め木処理をしたもの。フローリングに穴を空けて埋め木を打ち込んでいます。 右は小さな節穴にパテ埋めを施したものです。ヒノキ 節にもさまざまな表情があります
他にも、こんな表情のある節も。こういった節もパテ埋めなどの処理をして、凹凸が小さくなるようになめらかに加工します。 製造所のスタッフのみんなは、 「赤ちゃんがハイハイしても怪我をしないように」 「ストッキングを履いた女性が伝線しないように」 と、工場内の温度が氷点下になるような寒い日でも指先の感覚を大事にして、一枚一枚を手作業で仕上げてくれています。 枝がない木はありません。だから、節があるのは当たり前。 だけど、「自然のモノなんだから当たり前だよ!」と言うのではなくて、無垢という素材を誤解のないようにお客さんに選んでもらえるように、サンプル一枚だってこだわりたい。そう考えています。 たしかに工業製品と違って、扱いにくい素材なのかもしれません。 色味や木目、節の有り無しなどの表情だけではなく、割れたり曲がったり反れたりもする。 木と向き合うことをやめてしまえば、それ以上でもそれ以下でもありません。使いにくい素材、で終わり。 木にはアルフォート1箱のサイズにはとうてい収まりきらないさまざまな表情があります。 その豊かさをもっと多くのひとに伝えられるように、「みんなの材木屋」は生まれました。 だからこそ、いろんなひとに木を使ってもらうために、木の心地よさを感じてもらえるようにもっともっと工夫していきたいと思っています。